tsu-tusac’s blog

山とスキーの記録

201508 夏山梓川二ノ俣谷から中山

 

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梓川畔から中山

 

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二ノ俣谷の渡渉

 

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キャンプ地

 

 

中山へ石楠花の藪漕ぎf:id:tsu-tusac:20151008165743j:plain

 

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中山頂上

 

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梓川から中山を振り返る

 

 夏山候補地はやさしい沢で焚き火が出来て、いいところはないかと探していたが、槍沢の手前の二ノ俣谷というのが見つかった。明るくて良さそうだと思ったが、中流域から滝場が始まり草付きの高巻きが難しいという記録があり、それなら二ノ俣の途中の峠沢から中山乗越を越えて一ノ俣谷の上部を遡行するというのはどうかと計画を立てた、一ノ俣はかつて道があったが今は荒れてしまい、下部は滝が連続してなかなか大変そうだが、上部は悪場がなく東天井のカールもお花畑で良さそうなので、なかなかいいコースかなと思ったが、木邨から今の我々には体力的に厳しいのではないかと危惧が出され、考え直した結果、二ノ俣の峠沢出合にベースを置き、中山乗越から中山2492mを往復するプランに変更した。中山は一ノ俣と二ノ俣の間の尾根の末端のピークで、あまり人が行かない秘峰と言ってもいいかも知れない。体力的にも空身ピストンなので、仮に頂上まで登れなくても厳しい事態に陥ることはないだろう、ベースとなる峠沢の出合にはよいサイトがあるということなので、それも楽しみということで決定した。

 

参加者  木邨光宏  益崎健二郎  大谷尚史  片岡ひとみ  伊東 毅

 

8月9日 府中本町(7:00)=松本IC=沢渡(12:30)=上高地(13:15)~徳沢(15:15)

最初は例年のように鉄驪荘に集合して1泊後出かける積りだったが、浜野さんの奥さまの体調がすぐれないので取りやめ、朝発で徳沢まで入ることにした。木邨、大谷、益崎、伊東は府中本町7時出発、片岡は仙台早朝(5時前)発、沢渡合流を目指す。途中新島々の駅前で時間待ちをしたり、風穴の里の蕎麦屋で昼飯を食べたりしている間に片岡車が沢渡に先着、想定よりずいぶん早い。沢渡のアルピコタクシーの営業所で中型5人乗り、ザックはトランクのふたを開けたままチューブで固定、1台4,200円で上高地まで。伊東車、片岡車はアルピコの口利きで近くの筒木駐車場へ、4泊1台2,000円。普通に駐車場代1台1日600円、バス1人1,250円より、ずいぶん安い。これまでも何回か利用しているのと、事前に連絡して頼んであったのが奏功した。上高地で荷分けして、人ごみの中を出発、徳沢まで2ピッチ、いい天気だが木陰の道なので助かる。今日の宿は徳沢園、何度も前を通ったが泊まるのは初めて、立派な宿で山小屋とは言い難い、相部屋2食付き10,000円。相部屋と言っても一人1畳、仕切りがあり、荷物置き場もあり、ゆったり出来るのがいい。風呂に入って、外来者が入れる道草食堂で生ビールにワイン、夕食は中の宿泊者用食堂、豪華メニューで満腹。木邨、益崎は7時前に就寝、そんなに早く寝たら夜中に目を覚ましてしまうので8時過ぎまで時間を過ごしてから、睡眠導入剤を飲んで就寝、ぐっすり眠れた。

 

8月10日 徳沢(7:55)~横尾(9:30)~一ノ俣出合(10:25~10:45)~二ノ俣出合(10:55)~  沢靴履き替え(11:05~11:20)~中山沢(12:25)~そうめん(12:30~13:30)~右岸沢①(14:40)~右岸沢②(15:10)~峠沢出合広河原BP(15:45)

 徳沢園の朝食は7時から、したがって出発はゆっくり、今日の行程は短いからいいだろう。徳沢を出て梓川の岸に出ると正面に中山が見える。緑に覆われているが、鋭い三角錐の堂々たる山だ。今まで気にしたこともなかったが、これなら登る価値あり、すっかり嬉しくなった。おじいさんペースで横尾まで1ピッチでは届かず、手前でひと休み、横尾でトイレ休憩。ここまでは下界ということらしい、横尾を出るとここからは登山道と看板が出ていた。一ノ俣出合で休憩、二ノ俣出合はすぐなので休まず、人通りがなくなったのを見すまして右岸の樹林へ入る。踏み跡があるがキジ道でもあるので足元注意、10分ほど林を歩いて河原に下り、靴を履き替え、ハーネスをつけ、ヘルメットをかぶる。伊東はフェルトの沢足袋、木邨は地下足袋モンベルのフェルトソール、他の3人は沢靴、沢足袋は底が軟らかいので荷を背負って歩くのはどうかと思ったが、今回は歩く時間も短いので問題はなかった。二ノ俣谷は花崗岩の明るい谷で中流までは滝もゴルジュもなく基本的に河原歩き。ところどころ崖や大岩が進路をふさぐので左右に渡渉するが、この夏は猛暑、好天続きで水量が少ないので助かる。せいぜい膝上くらいまでで、大抵のところは渡れるので、ザイルの要なし。どこか昼飯のそうめんを作る場所を探して行くが、最初の支流、中山沢(仮称、中山の頂上に突き上げている)出合は左岸で日陰がなく暑いので、その先の木陰の伏流水の出ているところで休憩、そうめん500gを茹でる、つゆは五島のあご出汁、しょうがとみょうが、ねぎを刻み、海苔、鰹節、梅干しと薬味類も豊富。夏の沢歩きにはこれが一番、ちょっと時間がかかるので余裕がある時に限るが。この上も右、左に渡りながらの河原歩き、右岸からガレ沢が2本入って間もなく、大きく開けて広河原に出る。このころから雨がぽつぽつ降ってきた。いくつか幕営適地があるとのことなので、一人先行して泊まり場探し、左岸に2か所良さそうなところを見つけた。1つ目は平らな砂地だが大水が出たら流されそう。その先左岸、河原から3mほど上がったところに平らな台地、まばらな小灌木の間に5人寝られそうな空き地があり、焚き火の跡もあった。高台の適地というのはどうやらここらしいが、高台というにはやや低いので、他にないかザックを置いてさらに登ってみたが、すぐ左岸に峠沢が流れ込んでおり、あとは樹林と薮で見つからなかった。灌木にザイルを渡し、タープを張り、シートを広げるが、5人分にはやや足りない。ビニールシートを1枚継ぎ足してしのげるかというところ。雨が降ると端の方は濡れてしまうが、シュラフカバーもツエルトもあるのでなんとかなるだろう。蚊取り線香を何本もつけて虫よけ、大谷はエッセンの準備、木邨は薪集め、雨は降ったり止んだりだがたいしたことなく、焚き火はすぐに点いて良く燃え出す。今回は焚き火で串焼きをやろうと、金串を5本調達してきた。ベーコンとねぎ、しいたけを刺して一人一本ずつ、すぐ黒焦げになるが、煙の味がついて美味い。塩やたれなど、調味料はいらない。飲み物は銀嶺月山、さつま焼酎赤兎馬ジャックダニエル、ジムビーム、ブランディーVSOP、ジン、シェリーと少量だが濃い酒がいろいろ。つまみもたくさんあって、ご飯に手が出ない。雨も上がって夜は星空になった。

 

8月11日 峠沢出合(7:20)~峠沢二俣(8:00)~靴履き替えデポ(8:50~9:10)~中山乗越(9:50~10:20)~中山頂上(11:50~12:40)~中山乗越(13:30~13:45)~靴デポ(14:10~14:35)~峠沢出合BP(15:50)

 雲が多いがまずまずの天気、今日はサブザック行動、BPからすぐ峠沢に入る。水量は少ないが沢靴(足袋)でジャブジャブ登ると1ピッチ弱で二俣、赤い標識があるというので探したが見当たらない。少し上まで行ってみたが、この沢に間違いないので、入ってみると左手本流との間の薮に赤布が下がっていた。沢は細いが水流があり、苔むした岩を登って行くとやがて水が消える。なおも沢型を追って行ったらガレ沢になったので、靴を履き替え、沢靴を立ち木にぶら下げてデポする。傾斜が急になり、少し右に寄り過ぎているような気がするので、ガレ沢を離れて左にトラバースして行くと草に隠れた踏み跡があった。傾斜はますます急になり、木や草を掴んでの登り、今回はアプローチシューズとして古くなったKeenのタウンシューズを履いてきたのだが、これが失敗、靴底がすり減ってツルツルなので、急なザレの踏み跡で何度も滑った。やっぱり5・10のアプローチシューズにすべきであった。1ピッチ弱にえらい思いをして、何とか中山乗越に到着、ここにも標識があった。やせた尾根のコルで、登って来た二ノ俣側も反対の一ノ俣側も急な斜面になっている。ここからは樹林の尾根歩き、割合はっきりした踏み跡がある。ただ1個所、左トラバースに入るところを見逃して、シャクナゲの薮漕ぎを強いられたが、尾根の左側にザレと草付き、灌木帯をつないで踏み跡が続いている。尾根の東側なので日が当たって暑い。左手に一ノ俣をはさんで常念、乗越の小屋、横通し、東天井が見えているが、ガスがわき出した。乗越から2ピッチ、トラバース道から右に登る踏み跡があって、そこを登ったところが最高点、中山の頂上だった。ハイマツの中に岩がいくつか出ているだけで他に何もない。眺望は素晴らしい、正面に赤沢岳、西岳、その上に槍から穂高の稜線、涸沢カールの天幕が見える。左に梓川のゆるやかな流れ、さらに左は常念から大天井、この角度から眺めるのは初めて。ひと気がなく静かな頂きにわれわれ5人だけ、それぞれ手ごろな岩に腰を下ろして昼飯、しばし幸せな気分にひたる。下りは来た道だから分かりやすい、薮漕ぎもなく1ピッチで乗越。デポ地点までGPSで一直線、靴を履き替えガレ沢を下ると苔むした沢に合流、わき出している水がうまい。あとは水流を下るだけ、峠沢出合のBPまで2ピッチ弱だった。今日も焚き火で串焼き、ベーコンの代わりに魚肉ソーセージ、これもうまい。コーンビーフのホイル焼きもいいつまみ、残った酒をあらかた消費し尽くした。雨の心配もなく、ゆっくり寝む。


8月12日 峠沢出合(7:20)~中山沢1750m(9:20)~出合前靴履き替え(10:20~10:50)~横尾(11:50)~徳沢(13:50)~明神(14:40)~上高地(15:50)=沢渡(16:20)

 今日もいい天気、快適だったBPを撤収、エッセン分軽くなった荷物を背負って出発。下りも右左に渡渉を繰り返し、3ピッチで出合の橋が見えるところで靴を履き替え、登山道に飛び出す。横尾、徳沢、明神と1ピッチずつ刻み、明神からアルピコに電話、下りの中型車を頼む。上高地に着いたのが4時前、海上自衛隊あがりの運転手、小林さんの話を聞きながら沢渡まで。さて結構な時間になった、これから仙台へ帰る片岡さんは大変だ、東京組も府中本町から千葉の検見川浜まで電車に間に合うかどうか、それに疲れてみんな運転したくない。どこか空いている宿はないかと、まず石川旅館に電話したが満室、沢渡付近を聞いてみたが、もうどこも空いてない。この時間になって5人というのは無理だろうなと絶望的な気分、とりあえず汗を流そうと梓湖畔の湯、そこでもらったパンフレット観光協会がもしかしたらと言うので最後に電話した杣の家、おじいちゃんが出て、5人ね、あることはある、特別室、夕食はこれから作るから遅くなるけどいいかと。やった!そこお願いします、これから行きます。国道から山の斜面を登ったところに3階建ての立派な宿、受付に電話のおじいちゃんがいて、2食付き1万4000円、値段もそんなに高くない、何より今晩寝られるところがあるだけで御の字。部屋は12畳、立派な部屋だ、この宿で一番いい部屋だと言っていた。なぜこの部屋が空いていたのかは分からない、急なキャンセルがあったのか、特別な客に備えてリザーブしてあったのか、なにはともあれ、腰を落ち着けてビール、3本+2本、やがて夕食が出来る。まだ何組か残っている広間に5人分の席、ご馳走がいっぱい。急に来てあらためて作ってくれたおかずを残すことは出来ないと、ビール腹にもかかわらず必死に完食。下を向くのも苦しいほど満腹。部屋に帰ると既に床が出来ていた。最後まで幸運に恵まれた山、感謝しながら眠りについた。

 

8月13日

 ここは沢渡温泉、昨日は日帰り温泉に入って来たので省略したが、朝風呂に浸かる、露天もあってこじんまりしたいい湯だった。片岡さんとは宿の前で解散、それぞれ仙台へ、東京へ、ゆっくり走って昼すぎ帰宅した。
 目標変更、中山往復計画大成功、徳沢園もよかった、峠沢のプラッツもよかった、二度と登ることもない静かな頂き、大展望、幸運な沢渡温泉。体力的にもちょうどいっぱいという感じ、こういう夏山もこれが最後かな。みんな十分齢をとった、立派なおじいさんだ。

 

1408 銀山平 平ヶ岳

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 銀山平から駒ヶ岳

 

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 ログハウス

 

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 玉子石分岐

 

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 山頂遠望

 

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 平ヶ岳山頂

 

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 姫ノ池から平ヶ岳

 

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平ヶ岳から至仏山

 

 現役の合宿サポートで2年間出来なかった夏山、最初は恋ノ岐川から平ヶ岳を考えていたのだが、このところの著しいロートル化に鑑み、幕営沢登りは取りやめ、銀山平の民宿泊、中ノ岐川林道送迎バスで平ヶ岳を往復するという楽勝?プランに変更。さらに2日目の荒沢岳ももう無理だろうということで、守門岳に変更したのだが。

 

参加者  木邨光宏  益崎健二郎  大谷尚史  片岡ひとみ  伊東 毅

 

8月15日 府中本町(9:00)=小出IC=道の駅「ゆのたに」(13:00)=手作り村こころ=銀山平 樹湖里

お盆の帰省とUターンの間の15日金曜日、高速は車は多いが余り渋滞もなく、予定通り小出ICから道の駅「ゆのたに」へ。仙台からの片岡車はさらに早く着いていた。昼食予定のそば処薬師へTelしたところ、時間が遅かったせいか、そばが売り切れ、道の駅の立ち食いそばのおばさんに聞いた352号線ぞいの手作り村「こころ」へ転進。これが当たり、へぎそば5人前と野菜天、まいたけ天、思いのほか美味だった。シルバーラインのトンネルを抜けて銀山平へ、前回は雪野原だったが今は緑におおわれた別天地。雲が低く駒や荒沢岳は隠れている。今回の宿、民宿「樹湖里」は一番手前、母屋へ行ったら、離れへどうぞと、一軒のログハウスへ案内された。しっかりした作りで1階に板敷の居間とたたみの寝室(8帖くらい)、トイレ、洗面所、2階のロフトにベッド2つ、たたみの寝室(8帖?)とずいぶん広い。1階和室に木邨、益崎、2階ベッドに片岡、和室に大谷、伊東とゆったり使える。風呂は近くの日帰り温泉、白銀の湯へ入浴券を持って行く。大きなログハウス風、2階が風呂で露天風呂もあり、結構だが目隠しの竹垣で山が見えないのが残念。源泉かけ流しだが無色無臭、ややアルカリらしい。風呂から帰って、まずは一杯、ワインが4本、ジンとベルモットトニックウォーターウイスキー、焼酎、つまみもいっぱい。適度な広さの居間で気がねなく飲んで話して、楽しい時間を過ごす。夕食は母屋で6時から、他に山登りが2組3人、釣りが2人、我々を入れて10人。明日平ヶ岳へは8人の予定だが天気が悪そう、すでに降りだしていて、明日の予報は70%、前線が北陸沿岸に張り付いている。出発は4時ということで、3時過ぎ起床になる、出かける用意をして8時就寝。

 

8月16日 沈殿

 夜中雨の音、3時に起きて用意をしていると宿の主人が来て、どうしますかと言うので今日は中止したいと伝える。どうやら3連泊している1人がどうしても行きたいということで1人だけ、1台だけで出かけて行った。大雨になると中ノ岐林道が危険になるので主人は行きたくなさそうだったが、3泊して待っていたという客に断りきれなかったようだ。
われわれはふとんに戻りもう一寝入り、明るくなって起きて朝飯のおにぎりにみそ汁を沸かして食べる。宿の奥さんが朝風呂にどうぞと、白銀の湯の裏口の鍵を貸してくれたので、雨の中をぶらぶらと行って来る。雨は降ったりやんだり、山も駒から中ノ岳、荒沢岳が頂上まで見える。緑の中にこの季節でも残雪があり、いい眺めだ。銀山平は「樹湖里」「日光」「村杉」「湖山荘」奥只見山荘」「荒沢ヒュッテ」の6軒の民宿が山々に囲まれた広い平地にゆったりと立っており、山上の別天地となっている。1人で出かけた人も無事平ヶ岳に登って帰ってきたようだ。今日はやることがないので、車で奥只見湖の船着き場や尾瀬への林道方面に行ってみたりしたが、特に見るものはなく、あとは宿に戻って、またいっぱいと飲むしかない。夕食は我々5人だけ、明日はまた3時起き、天気は少しよくなるようだ。

 

8月17日 銀山平(4:00)=中ノ岐林道登山口(5:35)~玉子石分岐(8:35~8:45)~平ヶ岳(9:27~9:33)~姫ノ池(9:55~9:57)~玉子石分岐(10:14~10:19)~登山口(12:02)=銀山平
=須原民宿加賀屋

 星は見えないが降ってはいない。マイクロバスに乗りこんで出発、うとうとしながら行く。中ノ岐林道は半分舗装、ところどころ沢の水が道路上を流れている。こういうところが増水すると車が通れなくなるようだ。今日は奥只見山荘の1台が先行、あとから湖山荘の1台も来て3台が入った。登山口の駐車場には水場、トイレがあり、待機用の小屋掛けがしてあった。我々は最後に出発、すぐ平ヶ岳沢の渡渉点、木の橋がかかっているが、かつて増水時に人が流されたことがあったので、頭上に籠渡しが作られている。沢を渡ると急登、新しく作った道のためか、雨水でえぐられて段差が多く歩きにくい。大谷先頭で最初いい調子で登っていたが、途中からピッチが落ちる。2日飲みすぎて調子が悪いみたいだ。途中でキジ打ちなどしたが回復しないので、この辺で戻るとのこと、やむを得ず、4人で登る。3時間で玉子石の分岐点、コースタイム通りだがやや遅れ気味、樹林帯を抜けており、正面に平ヶ岳の平らな山頂が見える。雨が降りだしたので雨具の上下を着ける。左右は湿原、木道が現れる、花はあまりない、キンコウカと白いイワショウブ?イワイチョウ?ところどころにオヤマリンドウやハクサンフウロくらい。池ノ岳の分岐を右、水場を過ぎてひと登りで平ヶ岳頂上に着いた。頂上の標柱は樹林の中、その手前草原に面して板を渡した広場がある。目の前の大きな山は至仏、左手に景鶴、燧は雲の中だったのかよく分からない、あやめ平の奥に日光白根、全体に雲が多く視界はよくない。写真を撮って早々に下る。12時半までに登山口に下りなければならないので気をせかされるが、せっかくなので姫ノ池を回る。益崎は下りが遅いのでと言って真っ直ぐ玉子石分岐へ向かった。姫ノ池の池塘越しに平ヶ岳の写真を撮ろうと思ったが、あいにく雲がかかってしまった。木道がぬれて歩きにくい、玉子石は割愛した。下りも段差が大きく、滑って歩きにくいが、どんどん下る。ここで急ぎ過ぎたのか、最後のピッチで右ひざに痛みが出た。曲げると痛いので右足から段差を下りるようにするのでピッチが落ちる。キナバルの下り、栂海新道の最後など、時々これが出る。なんとかごまかして平ヶ岳沢まで下り、待っていた大谷、益崎と合流した。靴の泥を落としてマイクロバスに乗り、銀山平に帰ると、奥さんが麦茶を持って迎えてくれた。宿泊費は2食付き7,800円、マイクロバス送迎代が1人3,500円、快適な宿だった。もう一度白銀の湯で汗を流し、銀山平を出たのが午後2時半ごろ、往きに寄った手作り村「こころ」で遅い昼食というかおやつ代わりにへぎそばを食べて今日の宿、須原の加賀屋に向かう。小出から北上、須原の駅近く252号線に面して加賀屋はあった。着いて木邨が戸を開けると「すごい雨の中、よく来られました」という。須原は今日豪雨に見舞われたようで、伊東の携帯に留守電が3本も入っていた。山の中で携帯を切っていたので気づかなかったが、雨で来られないのではないかと心配していたようだ。須原は民宿がいくつかあるが、加賀屋は一番小さな宿、でも建物は新しく、部屋はきれい、トイレもきれい、風呂は入らなかったが、おばあちゃんと娘の二人でやっているみたい。他に客はなく、部屋は3つ使っていい、その他に休憩用に向かいの部屋も用意してくれ、漬物に枝豆のサービス。それではとビールをもらい、とりあえず乾杯、そのまま飲み始める。夕食は下の広間で、日本酒を頼んだら一人一本ずつサービスしてくれた。料理もいっぱい、せっかくだからとみんな食べて、さらにおいしい魚沼米のご飯も食べて、少々食べ過ぎ。ところで伊東の膝の痛み、テーピングしてみたが、明日の守門岳は厳しそう。木邨が浅草岳の方が行程が短く楽だからということで、行先は浅草岳に変更、一晩様子を見ることにした。

 

8月18日 須原=大白川エコパーク入広瀬・解散=小出薬師そば=小出IC=府中本町解散

 朝起きて階段を下りる時、右膝に違和感があったので、申し訳ないが浅草岳登山はとりやめにさせてもらう。朝食もご飯がおいしい、おばあちゃんがサービスしてくれるが、連日の飲みすぎ、食べ過ぎで一膳がやっとだった。この宿は2食付き6,500円、食事はいいし、サービスはいいし、めちゃ安い。国道に面しているので、トラックなど通るとややうるさいが、それを除けばこんないい宿はない。情報がない中での宿探しは難しいが、今回は2つともいい宿でよかった。浅草岳に登るのはやめたが、麓に温泉があるし、エコミュージアム森林公園もあるということで、一応大白川方面へ向かう。最初ネズモチ平登山口を目指して林道を展望台とあるところまで行ってみたが、車の中にアブがたくさん飛び込んで来て大騒ぎ、殺虫剤で追い出して早々に離脱、その下のエコミュージアムに行ってみた。車を下りたら施設の人が出てきてクマが出ているから少し待ってくれと言う。展示室を見ていると外で盛んに爆竹を鳴らしている。さあどうぞ、というので森林公園の一部を散策、全体に小中学校生向けかな、新潟県の施設、何となく税金の無駄遣いという感じがした。次は温泉と、ふもとのニュー浅草岳温泉というのに行ってみたが今日は合宿が入るから駄目、入広瀬の寿和温泉なら、というのでそちらに向かったが、着いてみたら12時から、今はまだ11時、しかたない温泉はあきらめ、ここで仙台に帰る片岡さんと別れる。なんとなく消化不良の感じだったが、小出ICへ向かう途中、初日食べそこなったそば処薬師でへぎそば、こちらはつなぎに山芋を使っているとかで、つるっとしていて、これも美味しい。あとは大谷、益崎と交代で運転、Uターンも終わった関越を順調に走って帰京した。
天候が不順だったが、永年の懸案だった平ヶ岳に登れてまずは満足。大谷は今回登れなかったが、学生時代にスキーで縦走しており、今回は初めての4人が登れたのだからよしとしよう。一方、膝を痛めてもう一つの守門岳か浅草岳に登れなかったのは、皆に申し訳なかった。こういうのもロートル化の現れか、下りは気をつけなければいけない。銀山平はいいところ、また行ってみたいが、周りに登れる山がないのが問題だ。守門、浅草はまたいつか、課題としよう。

1201 神楽スキー

1201 神楽スキー

参加者  木邨光宏  大谷尚史  益崎健二郎  伊東 毅

1月15日 新百合ヶ丘(6:02)=大宮(8:12)=Mとき303=越後湯沢=みつまたスキー場~神楽スキー場~和田小屋

木邨スキー教室、みつまたの事務所にスキーや靴を送ってザック一つで行く。みつまたのケーブルを登ったところで軽く足慣らし、そこからゴンドラで神楽スキー場。和田小屋に入って昼食、荷物を置いて午後はゲレンデ練習。今日は1日券を買ったのでリフトは乗らないと損、益崎と大谷の講習を繰り返す。やっているとこちらも少しずつ勘が戻ってくる。雪がいいから何でも出来るような気がしてくる。和田小屋は若者が一人いたが、今年もほぼ貸し切り状態、風呂に入ってストーブの周りで一杯やって、飯もうまい。満足して寝るが、坐骨神経痛で足が痛い。布団の中でテルモスに乗ってマッサージしてやっと眠れた。

1月16日 和田小屋(8:25)~リフトトップ(8:40)~神楽峰(11:50)~昼食~和田小屋(15:20)
高曇りのまずまずの天気、夜中に降ったようで新雪が20cmくらい積もっている。神楽峰から中尾根あたりを目指したが、ラッセルもあり結構時間がかかる。年々年をとってスピードが遅くなっているということかな。神楽峰まで行って、少し戻ったところで風をよけて昼食。この調子では中尾根に回ると遅くなりそうなので、もと来たルートを帰ることにした。新雪が積もっているのでそこそこ楽しいが、傾斜がゆるくなると滑らなくなる。今回は益崎、大谷の練習が重点、大谷がずいぶん滑れるようになった。ゲレンデに戻り、そのまま和田小屋へ。また今日も昨日と同じ、風呂、一杯、飯。ここは快適でいい。

1月17日 リフトトップ上、雪崩テストのピット掘りなどのあと下山、江神の湯、中野屋へぎそば、帰京。

今日もまずまずの天気、あまり遅くなりたくないので、登りは1回だけ、リフト上から少し登って田代を見下ろす尾根の縁に出て、ピット掘り。表面からしばらくは均一な雪で弱層はなかったが、80cmくらいのところで結合の弱いところがあって、引っ張ったらはっきりずれた。まあこんなに深いところなら表層雪崩にはならないだろう。掘ったあとで軽く昼食、田代の連絡路を目指して新雪の斜面を滑る。雪は安定しているが念のため立ち木が続いているところを選んで滑った。まあまあ快適だが、距離が短くあっという間だった。連絡路から神楽に戻り、1回リフトに乗って和田小屋へ。荷物をまとめて下山、リフト1回でみつまたロープウエー。また宅急便でスキーと靴を送り、タクシーで湯沢の江神温泉へ。さっぱりしてから中野屋で一杯、へぎそばのコース。これが湯沢のいいところ、帰りの新幹線もがらがらだった。